• 操体法はからだの声に耳を傾けて、自力自療を誘導する安全な療法です

    操体法の施療について

    操体法の施療操体法は、東西医学と異なる未病医学に基づく独自の診断・臨床法をもつ日本医学であると言えます。  操体哲学として「息・食・動・想」と「環境」という生命力学のバランスの重要性を説いています。 操体法の源流は骨格関節の動きを二者択一的に比較対照させて分析し、辛いほうから楽な方へと体を操って運動系の歪みを正すことにより、症候の治癒、改善をはかったもので、当初は紛れもない正体術そのものであったとも言われています。 正体術と同じ『比較対照した運動感覚差から楽な方に動き、たわめの間をとり、呼気で瞬間急速脱力』させていた方法から操体法の本流となった原始感覚(快・不快の生命感覚)のききわけへと変化しています。

    操体法には自力自療という他に類をみない特徴があります。 操体法の臨床は診断も治療も患者さん自身に委ねており、患者さん自身が医療者の立場に立つことで、患者さん本人が診断し、治療するのです。 正に自力自療が成立するわけです。 そんな自力自療が可能になるのは、本人にしか分からないからだの感覚を診断及び治療の要にしているからです。 感覚をからだにききわけて、ききわけた快適感覚で操って味わうことが操体法臨床の特徴なのです。

    操体法の施療操体法は患者さん自身が快適感覚を味わえるかどうかにかかっています。 操者(操体法指導者)は、診断及び治療に直接的に介入することのできない立場にあり、指導及び補助する立場にあるのです。 いかにして患者さんに快をききわけさせるかがポイントになります。

    操体法は患者さんにきもちよさでからだを操ってもらうのであって、決してきもちよく動いて治るのではありません。 また、動きながらきもちよさを探すのでもありません。 からだにききわけた快適感覚を味わうことによって治癒力を増大させるのです。 この快適感覚には快の質の差(レベル)があり、快感度の質によって治癒力につながります。 まさに治癒力快適感覚です。

    操体法の臨床を具体的に言うと、患者さん自身にからだをゆっくりと操ってもらい、そのゆっくりの動きの中で快・不快の感覚をからだにききわけてもらいます。 そして快感覚がききわけられたら、そのきもちよさにからだを委ねて、きもちよさ、心地よさを十分に味わってもらえるよう操者は介助、補助を行っていくのです。操者(操体法指導者)が治療に関与することはありません。