更年期障害は病気ではありませんが、一種の老化現象といえます。 特に女性の場合、卵巣の機能がしだいに衰えていき、ついには無排卵になってしまいます。 そのため卵巣の内分泌機能が停止してしまい、脳下垂体前葉、副腎などの内分泌腺や器官のバランスを失ってしまうため、いろいろな症状が出てきます。
症状としては、肉体的に血液循環の乱れや自律神経に障害をもたらし、発汗、ヒステリー、めまい、高血圧、耳鳴り、食欲不振、下痢や便秘などがあらわれてきます。 精神面においては、興奮しやすくなり、頭が重く、気分が変わりやすく、不眠症になったり、記憶力が鈍るなどの、不快な症状を伴います。
こういった更年期の障害を少しでも軽く抑えて快適に暮らしたいものです。 そこでお勧めしたいのが、膝の皿骨の内側の角から、上に指3本幅の筋肉の溝で、押すと痛みを感じるところがあります。ここは「血海」という幽点のツボがあります。 ここを、少し痛みを感じるくらいに強く息を吐きながら、親指で6秒間押し続けます。 これを10回繰り返します。 毎日続けることで症状は軽くなるのが期待できます。
➀寝不足や疲労などで胃の調子が弱っているときは、乗り物の振動で、胃に負担がかかります。 つまり、胃の消化運動が抑制されて、胃の幽門が閉じてしまい、胃の内容物が腸に送られず、口の方へ押し上げられて、嘔吐してしまいます。
②内耳の平衡感覚器官の反射によって乗り物酔いが起こりますが、この場合の防止策は耳栓をするだけで解消します。
③一時的な自律神経失調によって乗り物酔いが起こります。 この場合、外からの刺激に負けてしまい、からだを一定に保てずに悪酔いを起こしてしまいます。
乗り物酔いを解消するには、からだ前面の正中線上にある肋骨最下部の少し下の部分に鳩尾(みぞおち)と呼ばれるところがあります。 ここをゆっくりと息を吐きながら押します。 これを10回ぐらい繰り返します。 それとも一つの解消法は足の第二趾爪の生え際の右端から、趾のつけ根に向かって2㎜くらいのところに第二厲兌(れいだ)呼ばれるポイントを、ゆっくりと息を吐きながら、人差し指と親指で前後からつまんで、押します。 これを3週間、毎日続けると、乗り物酔いをすることがなくなります。
便秘というのは腸の中に大便が長時間停滞している状態のことです。 便秘には二つのタイプがあり、痩せていて腸の筋肉に力のない弛緩性の人と、便意があるのに我慢してしまい、そのため腸が太く弛んだ状態の痙攣性の人がいます。 この痙攣性の人は常習便秘になる傾向があります。
こういった便秘の症状は、からだがだるい、頭がすっきりしない、口臭がある、首や肩がこる、風邪をひきやすい、すぐ疲れる、食欲不振、手足が冷える、喉がよく渇く、鼻が詰まりやすい、めまい、痔、神経痛、ニキビ、吹き出物など症状を訴えています。
しかし、便秘になっても、すぐに下剤や浣腸を使ったりすると、その薬がないと排便できなくなります。 怖いのはそれが習慣性になてしまうと、なかなかもとに戻れなくなるかも知れません。
便秘の治療法としては、誰か他の人にやってもらうことになります。 伏臥位になって、全身脱力します。 腰部の第4腰椎と第5腰椎中間点から指2本分外側の位置を少し痛いくらいに強く押してもらいます。 この時、息を吸ってから、強く押してもらいながら、ゆっくりと息を吐いていきます。 吐き切ったところで押している指の力を抜いて自然呼吸に戻ります。 これを5~10回行います。 すると大腸の働きが活発になり、便秘は治ります。
肩凝りを生理学の観点から原因を考えてみると、首の筋肉の両側にあるリンパ管が萎縮していたり、肩の周りにある鎖骨下動静脈の血液循環不良のため、血質が低下するからです。 何故そうなるのかというと、日常の姿勢が悪かったり、不自然なからだの使い方や動かし方をしているためです。
それともうひとつ、血質の低下は酸性食に偏っているのが大きな原因となっていることから、アルカリ食とのバランスのとれた食生活に改めることが重要です。 肩凝りを根本的に治そうと思ったら、運動不足にも気をつけて新陳代謝を促すことも必要です。
肩凝りの治療としては、3か所のツボに働きかけます。 一つ目は、首の後ろにあるボンノクボの左右4㎝のところに位置する「天柱」です。 二つ目は、首の根元と肩先の中間地点で、乳首からまっすぐ上に引いた線上と交差する位置のクボミがある「肩井」です。 三つめは、肩甲骨の内側に位置する、痛きもちいいツボの「膏肓」です。 これら三つのツボを親指と人差し指でつまむようにして、呼気とともに約6秒間、揉んでください(膏肓は、誰かにやってもらっても構いません)。 それぞれ10回ずつ繰り返します、すると即効的に治ります。
こむら返りは、ふくらはぎ、腿の裏側、足底、足趾、脛、背中、手などの筋肉が痙攣することで起こります。 今回は最も一般的な、ふくらはぎの痙攣を回復する方法です。 ふくらはぎに痙攣が起こると、激痛があり、その部分の筋肉は収縮して盛り上がるので、踵は上に引っ張られて、足首が伸ばされてしまいます。 回復に使う部位は伏臥位にて両下肢を伸展してからだを弛緩させます。 次に痙攣した方の下肢だけに力を入れて緊張させると、ふくらはぎに逆V字形の筋肉の盛り上がりができます。 その逆V字の頂点に両親指を重ねて呼気でゆっくりと押圧していきます。 このとき、からだを弛緩しておく必要があります。 これを2~3回繰り返します。 これで回復します。
一般的な足のむくみの原因は、心臓から血液を押し出す力が弱くなってしまい、毛細血管に血液が溜まって筋組織の中に水分が移動することで起こります。 特に下肢にむくみが出ることが多いのですが、睡眠中では胸や背中にも出ます。 このような症状は心臓に何らかの疾患があるかも知れません。 足のむくみがひどくなってくると、足の裏が火照って、冬でも素足で平気になり、睡眠障害を起こしたりします。 こういった感覚受容器からの伝達は知覚神経にまで異常をきたすことになってしまいます。 できるだけ早く足のむくみをとり去っておきましょう。 ヨーガではナーディー(経脈)の入り口にあたるポイントを幽点(ツボ)といって、足のむくみに効果のあるツボがあります。 その場所は、足の小指側の踵寄りのところに隆起した骨があり、この骨の前にある足底と足の甲との分かれ目の部分がむくみのツボにあたります。 この部分をゆっくりと息を吐きながら、少し強く押えていきます。 左右の足を交互に5~10回ずつ行います。 これでむくみが引かない場合は、足底の踵の中心部のツボを同じように左右交互に5~10回ずつ行うことで、大抵の場合、むくみは徐々に引いていきます。
本格的なうつ病になってしまうと回復が非常に困難になってしまいます。 そうなる前に軽度のうつ病の状態において早く治しておくことが重要です。 軽度のうつ病では、気分がすぐれず、口が乾き、食欲がない、などの症状のほかにも、便秘になったり、肩が凝ったりする症状も訴えることがあります。 また、無口になり、からだがだるいというような症状もあります。 こういったうつ病に最も効果のあるからだのツボは、「天柱」という後頭部付け根に存在するぼんのくぼの左右4㎝ぐらいのところにある部位です。 ここをゆっくりと静かに息を吐きながらからだの力を抜いて、自身の手刀で少し強めに打ちます。 これを左右の天柱に10打ほど打ちます。 1日に5~10回ほど実施します。 このやり方に不快感があれば、「足三里」へのアプローチを試みます。 足三里に息を細くゆっくりと吐きながら、親指で押え込んでいきます。 次に足三里を左右交互に変えて数回繰り返します。 自分のやりやすい方法で行なってみてください。 数日~1週間で明るい表情に変化してくることでしょう。
血圧が高くなると、それに伴って動脈も硬化してくるものです。 そのような状態から肥満や寒冷などの原因によって、血管が破れて脳出血を起こします。 高血圧の症状としては、肩凝り、頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、息切れ、手足のしびれなどがあります。 今までの食生活習慣を見直して改善するといった高血圧の食事療法も当然必要なものです。 これに加えて、ボディワークを施します。 足の拇趾のつけ根部分に太い横じわがあり、その中央部が「高血圧点」というツボです。 この部分に両手の親指で息をゆっくりと吐きながら、押え込んでいきます。 そして吸いながら元に戻ります。 これを両足同じように3回1セットとして一日に10セットほど行います。 日頃の習慣として毎日続けると、1年も過ぎる頃には高血圧も解消されていることでしょう。
まず、食生活の習慣を根本から改める必要があります。 とにかく食べ過ぎをやめて、間食をなくすことです。 また、からだを動かす習慣を身につけましょう。 そのうえで、食欲を感じさせなくなる経脈を刺激する方法を併用するのです。 そんな経脈は、腰椎の3番と4番にあります。 自分の腕を後ろに回して少々強めにこぶしで打ちます。 すると、食欲はピタリと止まります。 やり方は、呼気で鼻と口から急激に吐いて、吐くと同時に腰椎の3番と4番打つようにします。 打った後はすぐに吸気に移ります。 打つ速さは1秒に2回くらいで、これを20回ぐらい繰り返します。
足の裏には内臓などにつながるツボが集中しています。 特に両足の踵には安眠を促すツボが存在しています。 ここを寝る前に指の腹で数分間押してみることでからだが温まって快眠に誘われます。 その押し方については、操体的な作法を取り入れる必要があります。 押す強さは、気もちよさ、心地よさを感じる程度に施します。 痛く感じるほど強く押してしまうと、反対に足が緊張しすぎて逆効果になってしまいます。 また足趾のグー・パー運動をすることでも足底筋が刺激されて血行がよくなり、からだがポカポカ温まってきます。 すると、ぐっすり眠りに就くことができます。
38℃ぐらいの温めの浴槽に半身浴で小一時間入ると、数㎞ジョギングしたのと同じぐらい運動効果があり、入浴は紛れもない運動です。 入浴で多量の汗をかくと血液中の水分が失われ、血液がからだじゅうに行き渡らなくなってしまいます。 よくお風呂上りにのぼせて貧血を起こしたり、疲労感を感じる原因のひとつは、この水分不足からくる脱水症状です。 そこで入浴前にコップ一杯の水を飲んでおけば、そういった症状は簡単に防ぐことができます。 このように水分を補うことで汗をかきやすくなり、からだの中の老廃物や疲労物質も出やすくなります。 のぼせやめまいや動悸といった不快な症状を防ぐことができるだけでなく、水分代謝も活発になり、血液が浄化されます。 入浴後の水分補給も大切ではありますが、冷たいものはからだを冷やしてしまいます。 暖かい飲み物を一杯程度にとどめておくのが賢明です。
コーヒーや紅茶や緑茶、それにチョコレートなどにも含まれているカフェインは、体脂肪を燃焼しやすくするのに効果的だと言われています。 運動する前にはこれらのものを飲んだり食べたりしてから始めることによって、同じ運動量であっても持久力が高まったり、シェイプアップ効果が期待できます。 しかし、カフェインというのは、常時摂っているとこういったカフェイン効果が表れにくくなります。 そこでスポーツ選手たちは、競技の数日前からカフェインが含まれたものを控えて、競技の30分ぐらい前にコーヒーや紅茶などカフェインの多く含んだものを飲んだりしているわけです。 痩身を目的にする人は、ふだんからカフェインを含まれたものを控えめにして、スポーツジムなどに行く前にカフェイン飲料を飲んでから行くと効果的であると言えます。
運動をすることで筋肉が鍛えられると思っていませんか。 しかし運動するだけでは筋力はアップしないのです。 実を言うと筋肉の組織というのは、運動によって一旦壊されることになります。 そして新たな筋肉を造るための栄養分を前よりも多く取り込むことになります。 すると、結果的にそれまでより筋力が向上するという仕組みになっているのです。 ということは、運動後においては良質の蛋白質を十分に摂ることで、筋肉の組成がスムーズになるわけです。 ですから、空腹時の状態で運動をすると、筋肉を動かすための栄養素である糖質が不足してしまい、筋肉に含んでいる蛋白質までも運動エネルギーとして消費してしまうのです。 このようなことにならないためには、運動の前に軽く食事をして、エネルギー源を事前に補充しておくことが重要なのです。